ペテアマン氷河崩壊、巨大氷島が分離

グリーンランドのペテアマン氷河からマンハッタン島の約4倍の大きさの氷塊が分離したと2010年8月6日に発表された。この氷河の崩壊は史上最大規模の可能性があるという。

アメリカ、デラウェア大学の海洋物理学者アンドレアス・ミュンホウ氏によると、氷河が分離してできたいわゆる“氷島”は面積が約260平方キロで、アメリカ国内で使用される水道水120日分を十分まかなえる量に相当するという。

2010年8月5日に撮影された衛星画像によって、北極点から約1000キロ南に位置するペテアマン氷河は、海に浮ぶ全長70キロに及ぶ棚氷の約4分の1を今回の崩壊で失ったことがわかった。

グリーンランドに現れたこの新たな氷島は、確認されている中では少なくとも2番目に大規模な氷河の崩壊であることを示すとミュンホウ氏は話す。ペテアマン氷河からは1962年にも巨大な氷島が分離しているが、今回の氷島より大きいかどうかは不明だという。同氏によれば、ほかの多くの氷河と同様にペテアマン氷河もここ数年で崩壊が進んでいる。

アラスカ大学フェアバンクス校の氷河地球物理学者レギーネ・ホック氏によると、棚氷の崩壊そのものは、「いつも起こっている普通のプロセス」だという。ただし、今回のような「とても巨大な氷塊の分離は非常に珍しい」。同氏は、ほかの多くの地域でも沿岸部の氷河の崩壊が加速しているため、「注視して原因を究明する必要がある。何かが進行していることの兆候かもしれない」としている。