肉食恐竜、低い姿勢で歩行か=7000万年前の「ガリミムス」―林原博物館

モンゴルの南、ゴビ砂漠西部の約7000万年前(白亜紀後期)の地層から見つかった中型肉食恐竜の後ろ足と足跡の化石を分析したところ、従来の推定より低い姿勢で歩いていたことが分かった。獲物を見つけた際などに素早く動けるよう、普段から低い姿勢だった可能性が考えられるという。林原自然科学博物館(岡山市)の松本幸英研究員と石垣忍副館長が、富山大で開かれる日本地質学会で20日発表する。
 モンゴル古生物学センターとの共同調査で全身骨格が発見されたこの化石は、ダチョウに似た「ガリミムス」(全長約3.5メートル)とみられる。同じ地層で見つかった大型肉食恐竜タルボサウルスの足と足跡の化石の分析でも、同様に低い姿勢だったと推定された。
 松本研究員は「化石の発見場所は当時、川近くでぬかるんでいたとみられ、乾燥した場所での歩き方はまだ分からない」としながらも、「真っすぐ立つより、後ろ脚を少し曲げた低い姿勢の方が敏しょうな動きができる。肉食恐竜の運動能力は高かったのではないか」と話している。