臓器つくる遺伝子発見=枝分かれ誘導、再生医療に期待―大阪大

 唾液(だえき)腺や肺などの臓器を形成する働きのある遺伝子を、大阪大の阪井丘芳教授と米国立衛生研究所の共同研究チームが発見した。多くの臓器は、上皮組織が枝分かれを繰り返すことによって形成されており、発見した遺伝子は枝分かれを誘導する作用がある。30日付の米科学誌サイエンスに発表した。
 研究チームは、マウスの胎児から唾液腺細胞を採取。唾液腺の上皮組織のうち、枝分かれのある部分とない部分の細胞を取り出して比較した結果、枝分かれのある部分には遺伝子「Btbd7」が強く発現していることが判明した。唾液腺にたんぱく質「フィブロネクチン」を加えるとBtbd7が活性化し、上皮組織の枝分かれが加速することも突き止めた。
 阪井教授は「Btbd7は枝分かれに重要な役割を果たしており、臓器を形作る上で必要。再生医療に応用できる可能性がある」と話している。