2つの小惑星が地球付近を通過、月よりも接近

2つの小惑星が米国時間の8日に地球付近を通過する。米航空宇宙局(NASA)によればこうした現象は珍しく、いずれも月よりも近い距離まで接近するが、地球に被害が出る恐れはないという。

NASAによると、小惑星はそれぞれ別の軌道上にあり、肉眼では見えないが、中型のアマチュア望遠鏡を使えば小さな光点として観測できるという。

小惑星「2010 RX30」は推定約10〜20メートルの大きさで、米東部時間8日午前5時51分(日本時間同日午後6時51分)に地球から約25万キロの地点を通過する。もう1つの「2010 RF12」は推定約6〜14メートル、米東部時間の午後5時12分(日本時間9日午前6時12分)に地球から約7万9000キロの地点を通過する。

2つの小惑星アリゾナ州ツーソン近郊にある天文台が5日の定点観測で発見した。連絡を受けたマサチューセッツ州の観測所が軌道を調べ、3日以内に月よりも近い距離を通過すると判断した。

地球付近を通過する物体は1日に約5000万にも上るという。しかし2つの小惑星が同じ日にこれほど近くを通過し、NASAが事前にそれを事前に把握できたのは珍しいという。

地球に接近し衝突などの恐れがある天体を観測しているNASA研究員は「こうしたことは毎日起きているが、われわれには大型の望遠鏡や常時監視の態勢がないため把握できない」と述べ、観測態勢の強化を求めている。