<肉食恐竜>腰にこぶ持つ新種の化石 スペインで発掘

スペイン中部の白亜紀前期(1億2500万年前)の地層から、腰に大きなこぶを持つ新種の肉食恐竜の化石が見つかった。背中に突起を持つ恐竜は多いが、腰にこぶ一つだけを持つ恐竜は初めて。スペインの研究チームが9日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

 発掘されたのは、ほぼ全身の骨格化石で、全長は約6メートル。こぶの機能は不明だが、雌雄の違いを示したり異性をひきつける役割を果たしていた可能性がある。保存状態がよく、足首にひし形のうろこ、尾に軟らかい組織が残っていた。前脚には羽毛があった痕跡も確認された。この恐竜は南半球に分布した肉食恐竜と同じ仲間に分類されたが、この仲間の恐竜で初めて羽毛が確認されたことにもなる。

 真鍋真国立科学博物館研究主幹は「羽毛の起源が、恐竜全体にさかのぼり、恐竜は早くから羽毛を使い、体温調節したり、他の個体と意思疎通していた可能性がある。そのことが、羽毛を持たない爬虫(はちゅう)類との進化の分かれ道になったのかもしれない」と話す。